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タイ旅行博の記録|FITフェア 2024 Visit Japan FIT Fair #16

#上田市インバウンド

投稿日:2024年11月20日

宿と地域の誘客専門家。旅のしごとainiです。
2024年11月、上田観光協会はタイ・バンコクで開催された訪日旅行博「FIT Fair」に、昨年に続きブースを出展しました。私もインバウンド部会の事業として参加。タイの訪日旅行熱を肌で感じた会場の様子や、タイ人の訪日意向、長野県上田市の狙いについてご紹介します。

▶︎目次
1)FITフェア(Visit Japan FIT Fair )とは
2)会場は富裕層が集まる巨大ショッピングセンター
3)ブースを訪れるタイ人の特徴
4)「桜×上田城」を大々的にPR
5)PRツールと人気のノベルティアイテム
6)タイ人の熱い反応!
7)旅行会社へのプレゼンテーション
8)まとめ:タイの訪日市場。上田への来訪者を増やすために

FITフェア(Visit Japan FIT Fair )とは

FITフェアは、毎年11月にバンコクの中心にある巨大なショッピングセンター「サイアムパラゴン」で開催される、訪日旅行を促進する日本政府観光局(JNTO)主催の大規模イベントです。

開催日時: 2024年11月8日(金)〜11月10日(日)の3日間
営業時間: 10:00 ~ 20:00
開催場所: タイ・バンコクのサイアムパラゴン5階
主催:日本政府観光局(JNTO)
2023年の来場者数:46,000人

イベントには日本側から約60ブース、タイ側から約30ブースが出展。日本側ではパンフレットやノベルティを配布して各地の観光地をPRし、タイ側では旅行会社や航空会社が訪日ツアー商品の即売をします。タイの人気アイドルやインフルエンサーが登場するイベントなども行われます。

会場は富裕層が集まる巨大ショッピングセンター

会場となるサイアムパラゴンは、バンコクの繁華街「サイアム」(日本で例えるなら渋谷)にある高級ショッピングセンター。ここには一流ブランドのショップが立ち並び、2階ではロールスロイスやマセラッティの販売まで(!)行われています。地下には屋内型の水族館や映画館があり、一日中楽しめる商業施設。

タイ旅行博 FITフェア 2024の様子

1階のフードコートでは、タイ料理はもちろん、日本料理や中華料理も揃っており、多国籍なラインナップで訪れる老若男女や外国人観光客を魅了。そんな施設の5階、BTS(スカイトレイン)サイアム駅直結のイベントホールで、3日間の訪日旅行博が開催されました。

ブースを訪れるタイ人観光の特徴

日本に興味関心があり、訪日意欲の高いタイ人ユーザーで会場はごった返し。ブースでの質問内容や昨年のアンケート結果からもわかりますが、訪日意向は主に2パターン。

ゴールデンルートを経験済み、新たなローカルを求める層
東京、大阪、京都などの主要観光地はすでに訪問済み。まだ訪れたことのない地方の魅力や自然に触れられる新しいスポットを探しているユーザー

次の訪日旅行計画が進んでいる中で、合間に訪れる地域を探している層
すでに訪日旅行の計画があり、富士山や京都を旅程に組み込み、その合間の行程をルート上で探し、訪日旅行をより充実させたいユーザー

「桜×上田城」を大々的にPR

上田のブースでは、昨年に続き「桜×上田城」をメインテーマに掲げ、訪日旅行が多く実施される4月のソンクラーン(タイの旧正月)に向けて、「桜を見るなら上田」のブランディングをさらに強化しました。

ブースのバックパネルは昨年同様 「桜×上田城」。私も含めた上田スタッフは上田紬の浴衣を身にまとい、さらに現地の通訳の方にも浴衣を着ていただきました。この浴衣姿が目を引き、多くのタイ人が「一緒に写真を撮りたい!」と声をかけてくれました。ブースには協力会社さんも現地に駆けつけてくれました。

※ちなみに昨年のブース出展で浴衣の試着体験を実施したところ、大変好評で3日間で100人以上のタイ人に浴衣の着付けを行いました。あまりに混みすぎるため今年は取りやめに。タイ人は浴衣が大好き。

PRツールと人気のノベルティアイテム

今回の旅行博で使用したPRツールは主に3種類。それぞれを目的に合わせて制作しブースで大変注目を集めました。

※パンフの制作には、訪日旅行メディアを運営する現地会社のアドバイスを受けています。

昨年に続き、大好評だった「桜×上田城」コンセプト重視のパンフレット(タイ語)
桜満開の上田城を中心に、着物で巡る城下町の見どころをビジュアルで訴求。温泉地やグルメ情報を掲載し、タイ人観光客が訪れたくなる内容に。

タイ旅行博 FITフェア 2024の様子

新たに作成した、上田の情報を網羅した情報重視のパンフレット(英語)
上田でできる6つの体験というコンセプトで制作。寺社仏閣巡り、自然などを英語で紹介。「特徴がない」と言われがちな上田。インパクトのある表紙デザインで、思わず手に取り保存しておきたくなるような仕上がりに。

タイ旅行博 FITフェア 2024の様子

「富士山から上田までの電車旅」を案内した両面チラシ(タイ語)
富士山を観光した後、上田へアクセスする電車旅のルートを詳しく紹介。ローカル線を乗り継ぐ電車旅や景観の魅力をアピールし、富士山観光がしたい観光客に旅の流れをイメージしてもらいやすい内容に。

タイ旅行博 FITフェア 2024の様子

観光協会公式のFacebook、またはInstagramのフォローで、選べるプレゼントのノベルティは、うちわがダントツの人気。タイは通年暑いですからね。次に和のテイストのステッカーが好まれました。長野県の企画として開催したスタンプラリーも大変な人気でした。

タイ人ユーザーの熱い反応!

ブースでは二人の通訳さんが上田担当として接客。昨年も上田を担当してくれ、その後実際に上田を訪れてくれた通訳さんもいてとても心強い。お客様からの多様な質問に答えてくれます。やはり大事なことは「UEDAが日本のどこにあるのか」。何が魅力で何が楽しめるかの前に、その街がどこにあるのか。東京から、京都から、富士山から、上田が日本のどの辺りに位置するのかを最初に伝えることはやはり重要なポイント。

タイ旅行博 FITフェア 2024の様子

今年の旅行博で多く出てきた地名は「上高地」と「松本城」。昨年あたりからタイ人に大人気となっているスポットです。上田からとても近いことをお伝え。一年を通して30度の気温で過ごすタイ人が日本を好む理由に、はっきりとした四季があることが挙げられます。桜だけでなく、紅葉や雪景色なども魅力。

初めて耳にする「UEDA」を興味深く見てくれる人もいれば、上田は訪れたことがあるという方も。「先週別所温泉に一人旅したよ」と北向観音での写真を見せてくれる女性や、歴史に詳しく真田幸村のTシャツを見せてくれた男性もいました。長野県は何度も訪れているが上田は未経験、というお子様連れの女性が次回は上田に決めたと(涙)。ブースを訪れた翌日に夫を伴い再訪し、より具体的なルートと予約方法を確認された方も。タイ人ユーザーにとって、ただパンフレットを眺めるだけでなく、次の訪日旅行のための情報収集の場であることを昨年以上に肌で感じることができました。

現地旅行会社へのプレゼンテーション

また旅行博ではタイの旅行会社が30社ほどブース出展。通訳さんを伴って各社のブースへ上田のPRに。ブースは来場者で大変混み合っているので混雑時を避けて訪問。こちらでも上高地や白馬、軽井沢や松本など人気スポットから近いこと、富士山からのアクセスなどをプレゼン。ツアー造成の担当者が興味を持って聞いてくれ細かい質問がたくさん出ました。またプレゼントにお配りした上田名物グルメの「みすゞ飴」桜柄(非売品)には興味津々。

ひとつ嬉しかったことが。旅行会社のブースへも浴衣着用で訪れましたが、「あなたは昨年も浴衣で来ていましたね」と言われたこと。「桜と浴衣姿のあなたを覚えていますよ。写真映えが大好きなタイ人にとって浴衣や着物で街歩きできることは魅力」とのこと。ブランディングとは飽きずに継続することが重要だと実感する出来事でした。

※今回は旅行会社のオフィス訪問も実施しています。その詳細はまた別記事で。

まとめ:高まるタイの訪日市場。上田への来訪者を増やすために

上田市の観光業にとって大きな可能性を秘めてるタイの訪日市場。旅行博を通じて、現地の熱い反応を肌で感じることができた今回の成果を踏まえ、さらなる取り組みで宿泊客の増加を目指して取り組んでいきます。この取り組みについてのご質問等は問い合わせフォームよりご連絡ください。